【BPLS3】beatmania iidx レギュラーステージ第4節 感想

こんにちは。ジョルノと申します。ジョバーナではありません。

 

ファーストを終え、レギュラーステージは後半戦へと舞台を移します。ファーストではレベル制限があり、精度を重視した勝負になっていましたが、セカンドでは上限が撤廃。大将戦は最高難易度となるレベル12で競うことになります。いよいよ満を持して破壊者KKM*など、高い地力を持った選手たちの主戦場となったBPL。チームの進退もある程度固まってきて緊張感が日に日に増す一方です。

 

そんな第4節、一緒に振り返っていきましょう。

 

 

第3節までを振り返って

第3節までの結果。APINA独走のBリーグ、三すくみのWリーグ

 

BリーグはAPINA3連勝、とまさに破竹の勢いでポストシーズン進出を確定させました。本当に、本当に強い。しかもこれまでの3戦すべてで大将2タテの快勝となっています。ダブルエース体制が完全に場を支配していますね。2位にSNT、3位にGiGO、4位にTradzとこの3チームは団子状態になっている印象があり、セカンドは残りの出場権2枠を賭けて激戦となりそうです。

 

Wリーグは第3節のGAME PANIC vs SILK HATでKIDO.選手がジャイアントキリングを達成。これにより、上位3チームが勝ち点6で並ぶ状況となりました。GAME PANICはTAKA.Sにセカンドの大将を託し、ファーストを牽引したMIKAMO・PEACEが支える体制に。SILKにとってはセカンドはエースSEIRYUの主戦場、ということで勝点を重ねることは間違い無さそうです。

3位につけているROUND1は王者U*TAKAを中心に3勝は硬いでしょう。KUREI・I6VVの両名ともにスコアの水準は昨シーズンより上がっており、スタッツの見た目ほどパフォーマンスは悪くない印象です。新たに加わったNAGACHも良い追い風となっており、脱落は考えにくいか。

4位レジャーランドは依然厳しい戦いを強いられています。決定打を作ることができず、完全にマークされている模様。セカンドで大逆転を遂げ、出場権争いに絡むことができるかに期待です。

 

第1試合 GAME PANIC vs SILK HAT

 

第12試合で激戦を繰り広げた2チームが早くも再戦。先鋒・中堅は両チームともにまったく同じ選手をオーダー。リベンジを果たせるか、あるいはまた同じ結果となるか。今季初のリベンジマッチに注目だ。大将戦はTAKA.S選手とSEIRYU選手の直接対決に。1位の座は絶対に譲れない。ファーストの台風の目、ゲーパ二の勝利か、ジャイアントキリングで勢いに乗ったシルクの勝利か、結末はいかに。

 

先鋒PEAK。PEACE vs VELVET。S2から数えて3回目の勝負となります。ちなみに3回とも指定は「レベル8~10 テーマPEAK」。これまでの2戦はともにPEACE選手の2タテ。3度目の正直なるか、あるいは。

 

1曲目。先攻はGAME PANIC・PEACE、選曲は「Luv 2 Feel Your Body」。彼の代名詞とも言える2step楽曲です。イントロの時点で10点のリードを作るPEACE。以降も微妙なハネリズムが永遠と続くこの楽曲、少しでも気を抜くと黄ばんでしまうのですがPEACE選手、全くと言って良いほど黄ばみません。光り続ける!とんでもないスコア力で稼いだ点差を守り続けて曲が終了。チームに1ポイントを持ち帰ります。

 

2曲目。レベル9ではあるものの、まさにPEAKテーマに相応しいと思わせる密度の濃いフレーズが含まれている難曲「Real」。イントロの比較的密度が薄く、静かなフレーズを超えると長い長いPEAKがやってきます。両者のオプションを見てみると、PEACE選手はRANDOM、軸が4、トリルは2回とも両手交互に押せる配置、と右手に寄っている部分はあるものの、若干の当たり譜面に見えます。一方、VELVET選手はR-RANDOMを選択。こちらは軸が3と少しキツい配置か。PEAK部分の抜けではPEACE選手が3点のリード、互いに譲りません。

しかしこの「Real」という曲の難しい部分はまだまだあります。(なんでレベル9なんだこの曲)

BPM200という高速の16分音符を抜けたと思うと次にはリズムを掴みにくいズレ譜面がやってきます。ここはやはりPEACE選手の土台。一瞬0点差でVELVET選手に並ばれるものの、その後は完璧なプレーを見せ再び突き放します。1826(MAX-14)でPEACE選手が勝利。今季いまだ負け知らず、もはや低~中難易度の王として君臨しています。

 

まだまだ連勝記録を伸ばすPEACE選手。王者U*TAKAと肩を並べるかもしれません。

 

中堅戦、FRIP選手はBPMが速いものの8分音符の同時押しが主体となっており光りやすい「鴉」で心臓勝負に賭けてきました。曲が始まった段階ではLICHTがわずかにリード、立ち上がりではLICHTに軍配が上がったかと思いきや、イントロの終わり部分ではFRIPが自身のミスをカバーし逆転、競った展開で中盤の8分音符に進んでいきます。

ハードコアらしい重いキックの音を鳴らす同時押し地帯を抜けると一旦ブレイク。ここではLICHT選手が2点のリード。僅差、これはまだまだわからない。

そしてここからは16分音符も頻繁に絡んできて密度が上がってきます。最終盤までわずかなリードを追いかけるFRIP。しかし、ほんの少しミスが出てしまいました。ここを見逃さなかったLICHT、突き放して13点差で勝利を収めます。

 

続く2曲目はもはやBPL第2のテーマソングと言っても過言ではない「明鏡止水」。こちらは「鴉」とは対照的に16分音符より間隔の狭いノーツがどんどん降ってくる密度の変化が激しい楽曲。LICHT選手はこういった譜面は大好物でしょう。細かい音符が降ってくるたびに少しずつリードを作り勝利。こちらも今期未だ負けなし、連勝記録をどこまで伸ばせるかに注目です。

 

LICHT選手、SILKに流れを持ってくる大活躍。

大将戦。GAME PANICからは実力者TAKA.S、SILKからはSEIRYUの登場です。待ち望んだレベル12のスーパープレーヤー対決が開幕です。テーマはSOF-LAN。「FAXX」や「Y & co. is dead or alive」といった個人差要素がとても強く対策必須の楽曲から、「大犬のワルツ」「ピアノ独奏無言歌"灰燼"」といった揺れ動くBPMが特徴のピアノ楽曲、「n/a」「ICARUS(L)」といった超超超高難易度楽曲までわりとなんでもありのジャンルになっています。その分選手はカバーしなければならない要素がとても多く、本番での事故も多い、ととにかく波乱を呼ぶジャンル。

 

2人のプレーヤーとしての特徴を見るに、SOF-LANとしての選曲ではあるものの、サブジャンルとしてPEAKやNOTESの特性を持つ楽曲で勝負に来るだろう、と思いましたがまさにその通り。TAKA.S選手はタムの音に合わせてノーツのラッシュが降ってくる「DAY DREAM」を選曲。『ギアチェンの回数は覚えてきたか?』という煽り文句はもう不要、ということでしょう。

BPM80で重たいギターのフレーズから始まりますが、すぐに加速&減速。80→300→170とSOF-LANジャンルとしての牙を剝いてきます。特に300→170はわずか2拍(=2/300≒0.0067秒!)しか猶予がなく、このわずかな隙間でスタートボタンに手を伸ばしスクラッチを入力する必要があります。 これがなかなか緊張の瞬間なんですよね。しかし彼らはプロ、BPLという大舞台でも全くブレることなくギアチェンを成功させます。精度の差でわずかにSEIRYUがリードを作りbpm170の地帯へ。

しばらく2連打の微縦連が絡んでくるフレーズが続きます。ここはデイドリの中ではまだまだ楽勝な部類。両者ともキッチリとノーツを拾い続けます。わずかにSEIRYUリードのまま再び減速。

bpmは90。この地帯は同時押しが多く2人のレベルでは差がつきません。やはり勝負は後半のラッシュ。捲れるか、TAKA.S。

間を置いてbpmが300へ再加速。しつこいほど絡んでくる2連打を抜けるとギターソロに合わせてとてつもなく細かい音符が降ってきます。2連打地帯ではそこまで差が広がらなかったものの、ギターソロでSEIRYUが超絶プレーを魅せる。じわじわとリードを広げて最後のタム回しへ進んでいきます。このPEAK部分が強烈。まだまだわからない!

 

いや、ダメ押しだ!ドラムフレーズでも差を作るSEIRYU。一気に50点差まで突き放します。まさに彼の醍醐味とも言える豪快なプレーでチームの勝利を確定させました。

 

やり切った、という笑顔を見せるSEIRYU。これでチームは3勝目。チームSILK HAT は3年目にして初のポストシーズンへの出場権を得た。

 

続く2曲目n/a。ソフランの要素も十分に厳しい楽曲ですが、どのジャンルの課題曲として出てきても文句はつけられないほど様々な要素が含まれた規格外の楽曲です。

前半部分。bpm170の乱打が続きますがこの曲の中ではまだまだ序の口。この部分ではTAKA.S選手が20点ほどのリード。好プレーを見せています。中盤、いきなりbpmが85に半減。ゆったりとしたフレーズの後、バックスピンスクラッチを挟んでまた170へ。ここからは加速。ひたすら加速。255までbpmが10ずつ上がり続ける、というジェットコースターのようなソフランが待ち構えています。

このSOF-LAN部分はSEIRYUに軍配が上がった。もはや第六感と言っても差し支えないほどの圧倒的なテクニックでこのジェットコースターに体を合わせてきます。一気にTAKA.Sを抜き去り10点ほどのリードで後半へ。

後半。ここからがn/aの本番だと言わんばかりのえげつないノーツが降ってきます。しかもチャージノーツやMSSを携えて降ってきます。こんなに難しくて、いいんですか。完全にSEIRYUの土俵か、と思いきやTAKA.Sも持ち前の地力で食らいつく。大きく点差を離されることなくぴったりと後ろに付いていきますが、次第にSEIRYUのフィジカルが炸裂し点差は30以上に。そのまま勝利を掴みます。

 

う~ん、SILK HAT最強では???3巡目までドラ1と遜色ない選手が居るってちょっと半端じゃなさすぎますね。これまでの2シーズン、数々の魔術を見せてきたSEIRYU選手のコストもまだまだ残っていて、残り2戦の出場は確定。大将LICHTにも信頼が置ける。そして何より、この試合に勝利を収めたことでポストシーズンへの進出はほぼ確実となりました。本当に、本当におめでとう、塾長。2年分の雪辱を晴らしてくれてありがとう。

 

GAME PANICは手痛い二度目の敗戦。Wリーグの覇者の座はSILKに譲る形となりそうです。しかし、大将戦のTAKA.Sのパフォーマンス、特に2曲目n/aで見せたプレーは非常に良く、SEIRYUと比べても全く劣っているとは感じさせない力強さがありました。これからの活躍にも目が離せませんね。

 

 

第2試合 TAITO STATION Tradz vs APINA VRAMeS

 

ついに満を持してKKM*選手が大将戦に登場。普段からBPLを見ているファン以外の方も含め、すべてのビートマニアプレーヤーが待望していたことでしょう。テーマは「CHARGE/☆12」と鬼に金棒状態。これまで全勝のAPINAに土をつけられるか。

 

先鋒戦。RAITO. vs WELLOWでは二人ともが低難易度のレジェンダリア譜面を選んできました。RAITO. 選手選曲「Damage Per Second(L)」では点差が10点以上に開くことなく、両者ともに精度を保ったプレーを見せる。RAITO.がミスをすればWELLOWが前に、WELLOWがミスをすればRAITO.が前に、と競ったプレー内容だったものの、WELLOW選手がわずかなリードを守り切った。

 

WELLOW「ダメダメ」

 

2曲目は「mind mapping」。bpm128、とこのゲームにしてはスローなテンポの16分音符にスクラッチが絡んでくる楽曲です。WELLOW選手はS-RANDOMのオプションを選択。その特性上縦連打が降ってきやすくなるため、多少のミスが出るもののその分精度をしっかりと取りに行くという狙いです。終始リードを譲ることなくWELLOW選手が勝利。単発でも高水準の勝負ができることを証明する結果となりました。

 

中堅戦。KKM*に繋ぐためにも絶対に落とせない場面でRIOO選手が登場。チームに良い流れを持ってこれるか否か、実質的に勝ち負けを決める戦いとなっています。対するAPINAはCHP*1E選手が出場。テーマはスクラッチ、ということで彼と言えばのあの曲を選曲してきたか。

1曲目は「Overload Frontier」。スクラッチジャンルではあるものの、連続スクラッチは殆どなく、曲中を通して鍵盤とスクラッチの絡みが降ってくるため、その処理能力が試される譜面となっています。この曲では終始RIOO選手がリードを積み重ねる展開に。強敵APINAに対する反撃の布石として彼以上の適任はやはり居ませんね。勝敗を決めるための貴重な2ポイントをチームに持ち帰りました。

 

大差をつけて勝ったRIOO。静かにガッツポーズを見せる。

 

2曲目。全視聴者がやはり、、、と思ったことでしょう。「Digitank system」。CHP*1E選手の代名詞とも言える一曲です。bpm128の16分音符、と絶妙に遅いスクラッチを安定して捌くというのは実はかなり難しく、回すというよりは叩いて処理することが望ましいです。しかし、力いっぱい叩いているとそのうちに体力切れになって失点を招く、というほかの楽曲にない難しさを持った一曲となっています。

狙い通り後半のスクラッチパートに入るとCHP*1E選手が一気に追い上げる。点差は15点ほどに開くものの、RIOO選手も負けていません。なんとスクラッチパートの抜けで4点差にまで迫ります。後一歩。以降の鍵盤は同時押しが主体のため点は落としにくいが、一度黄ばむと大量失点、逆転を許すことになる。しかし、この緊張感でも揺るがないCHP*1E選手の安定感。わずか3点差のマインドゲームを制しました。

 

大将戦。いよいよです。あの男の登場。モンスタープレーヤーKKM*氏満を持して大将を担います。選曲は「Everlasting Message」。密度が高く、PEAKが激しく、チャージの絡みも厳しく、BPMも早い。何というか要求地力がとんでもなく高い楽曲です。これを事前練習をしているとはいえ一発目にやるというのは正直、、、プロ選手でもいやだという人が大半でしょう。実際、ストラテジータイムでAPINAベンチは笑うしかない、といった反応でした。

 

KENTAN「もぉ゛~゛!゛」

 

解説のEXITさんの言っている通り光らせやすいのは開始3秒のみ。以降とてつもない配置のラッシュが2分間ずっと降ってきます。そんな中破壊者KKM*堂々のプレー。歴代最多得点差でフィニッシュです。同じゲームのプロプレーヤー同士での対決でここまでの差がついてしまうのはKKM*選手の強さを証明する結果でもあるんですが、beatmania IIDXというゲームの裾野の広さというのも感じさせますね。

 

BPLという舞台を破壊し尽くしたKKM*。

 

2曲目「Steel Edge」。1曲目の「Everlasting Message」は☆12のなかでも難しいほうから数えたほうが早い楽曲ですが、こちらは逆に簡単な方から数えたほうが早い楽曲。得意の精度で一点突破の作戦に来ましたが、もはやこの男に死角はありません。安定して捌ききるKKM*。この曲でも終始リードを作って勝利を収めました。

 

Tradz遠かった一勝目。やはりこの男さえ居れば勝利はすぐ傍にある。そう思わせるようなセカンド第一戦でした。また、勝利に大きく貢献したRIOO選手のプレーですが、自選他選問わずとても良いプレーだったと見受けられました。特に他選の「Digitank system」は相手が歴代持ちであるなかあそこまで食らいつくプレーの質の高さは流石ですと言うほかありません。Tradzここから這い上がれるか。次の一戦にも注目だ。

 

APINAは逃げのオーダー。この負けはすでに受け入れていたと考えています。ですが先鋒WELLOW中堅CHP*1Eの仕事ぶりが光る試合でもありました。特にWELLOW選手。彼は全体的にステータスが高く苦手の少ない選手ですが、腕押しのスタミナに長けており、密度が高くても最後まで粘り強く押し切れるという強い個性を持った選手でもあります。ポストシーズンではどこで出場してもポイントを取ってきそうで非常に不気味です。不気味なほど強い。そう思えるような一戦でした。

 

第3試合 ROUND1 vs LEISURE LAND

 

ROUND1はU*TAKAを三連投。ここで勝負を賭けに来たか。対するレジャーランドは大将戦にスクラッチを得意とするU76NERを配置。巡目としては1巡目vs4巡目、となっているものの、高い専門性を持つU76NER選手に軍配が上がる可能性も大いにある。そんな期待感を抱かせる一戦、2人の選曲に注目です。

 

先鋒戦、ROUND1は前回に引き続きNAGACH選手を続投。レジャーランドは今季も安定した活躍ぶりを見せるG*選手を指名。テーマはTREND。どちらも飛び道具曲、というよりは素直な譜面を素直な譜面を叩くのが得意なイメージですので、某罪過は来ないと予想します。

NAGACH選手はDriverを選曲。bpm174とそこそこ速いビートを刻み続ける一曲で、まさに「勝負師」らしく心臓勝負に来たという印象を受けます。レベル9ながら16分音符の割合がそれなりに多く、一度失点してしまうと立て続けに失点してしまいがちなんですが、2人とも上手い!点差はほぼないと言っても過言でない状況で最終盤のスクラッチに突入していきます。このパートでは両者少し黄ばんでしまうものの、NAGACH選手が僅かな点差を守り切りROUND1が1ポイントを獲得。本番一発の緊張感が見ているこちら側にも伝わる一戦でしたね。

 

吠えるNAGACH。僅差で勝利を掴んだ

 

続く2曲目は3連符が要所要所で絡んでくる「LADS」。イントロの246の階段状になっている3連符をすべて光らせていたときにすでに「G*君やばくねーか???」と思いましたが、予感的中。サビのメロディに絡んでくる3連符を次々に全ピカで処理していきます。NAGACH選手のプレーが悪いわけでは決してないのですが、じわじわと広がる点差。サビの抜け、イントロと同じ配置の階段3連符はまたもや全ピカ、と「いつ黄ばむんだこの人???」ってな感じで開いた口が塞がらない。ほんっとうに極まったプレーでした。

最終的にはMAX-8という驚異的な精度でG*選手が勝利。思わずレジャランベンチからは「上手すぎ~!!!」と声をかけられています。当の本人は不服そうでしたが、このスコアで不服に感じるって相当に仕上げてきたんだな。。。と思いました。

 

中堅戦。ファイナルで相まみえた2人の対決です。I6VV選手は「UMMU」を選択。NOTESというテーマではあるもののスクラッチを光らせる力、チャージを押し切る力も求められる総合譜面です。序盤のスクラッチではI6VV選手が素晴らしいプレーを見せ大きくリード。しかしすぐに追いつく1-PIN選手。イントロではわずか7点差に抑えます。

ですがI6VV選手も決して負けていません。中盤長く続く16分音符の応酬で少しずつ点差を稼ぎます。BSSが絡んでくるフレーズが要所要所に入ってくるものの、I6VV選手が拾って攻め、1-PIN選手は守りに徹して捨てるという選択をしたことも影響して、少しずつI6VV選手の方に戦況が傾いていきます。もしや、昨シーズンのファイナルの再現となるか。そんな期待感が湧いてきたころ、スクラッチ絡みのパートで1-PIN選手が追い上げ同点に追いついてきます。

ええ・・・???なぜこの曲で心臓勝負になるんだ???

後半はチャージが頻繁に絡むノリノリフレーズ。しかし両選手ともに上手すぎる。視聴者の緊張度はピークに!まさにデッドヒート。わずか1点差を争うとんでもない状況に一瞬たりとも目が離せません。

勝負はチャージ+16分音符の最終盤に突入。ここで大きく追い抜く1-PIN!尻上がりに調子を上げ、最後は相手のミスを見逃さず落ち着いたプレーでカウンターを決めました。これにはG*選手もベンチを飛び出して1-PIN選手に抱きついてますね。

 

2曲目は「デモーニッシュ」。「いつかオトナになれるといいね」と同じツユさんの楽曲です。最初の2小節だけbpmが140となっており、そこからしばらくはbpm180の同時押しが続き、サビには200まで上がる、といった構成になっています。この間ギアチェンの猶予が少なく、ミスも誘発しやすいのですが1-PIN選手が完璧なギアチェンを見せ序盤から10点以上の差を稼ぎます。そこから先の精度は両者拮抗。わずかに点差が狭まったり広がったりはするものの1-PIN選手優勢の状況が覆ることはなく、大将戦に勝負を繋ぎます。

 

2タテでチームを勝利にぐっと近づけた1-PIN選手。

 

大将戦。スクラッチ地獄に足を踏み入れ、なおそれでも他を圧倒するU*TAKA選手と、「一番得意なジャンルは実は大将スクラッチ」と豪語するU76NER選手の勝負です。U*TAKA選手セレクト「The Chase」。序盤の24分スクラッチでは両者完璧に近いプレーを見せる。しばらくきれいな配置でリズムを取りやすい16分のスクラッチが降ってきますがここではU76NER選手の精度が勝り数点のリードを稼いだ。しかし、この曲の本領は中盤以降の不規則なリズムのスクラッチ。後半には16分トリルと24分スクラッチ、というぶっ飛んだ配置も見られます。ここは王者の土俵。24分スクラッチが降ってくるたび差をどんどん広げていきます。やはり強い!自己ベストからスコアを大きく落とすことなく自選を守りました。

 

自選を圧勝で終え、晴れやかな表情を見せるU*TAKA選手

 

U76NER選手は「雪上断火」を選曲。こちらは中盤にソフランがあることが特徴の譜面ですが、ギアチェンの猶予がたっぷりあり、そこでの事故はなさそうです。しかし、そのソフラン部分で複雑なリズムが多用されているため、一筋縄ではいかない楽曲でもあります。

序盤、低速までは17点差でU*TAKA選手がリード、とU76NER選手も大きくは引き離されず上手く連いていっています。しかし中盤、低速地帯ではもはや脂の乗ったU*TAKAを止められないといった具合に点数を離されていきます。最終的には40点ほど点差を付けU*TAKA選手の2タテ、ROUND1勝利で幕を閉じました。

 

この試合も面白かったですね~。U76NER選手のもしかしたら、もしかするかもしれない、という期待感にもワクワクしましたし、何より中堅戦の「UMMU」。あれは見ごたえありすぎでした。これでROUND1は3勝目。ポストシーズンへの出場権が確定となりました。残るはリーグ1位通過を賭けた戦いになりますが、SILKの猛追に耐えるためにもあと一勝は欲しいところです。ちょうど次節は直接対決もあることですし、そこでWリーグの運命は決まりそう。

 

レジャーランドとしては敗北ではあるものの、だんだんとレジャランらしさが目立つようになってきたと思います。これは良い傾向。第5節では是非とも勝利を掴んでくれることを望みます。

 

第4試合 SUPER NOVA Tohoku vs GiGO

 

Bリーグ現在の一位はAPINA VRAMeS。勝ち点9でポストシーズン出場権の1枠をすでに握っています。そしてTradzはKKM*無双劇によりここから勝ち点を伸ばすことが大いに考えられます。となると、残り二枠は必然的にこの2チームで争うことになるかもしれません。シーズンも後半に差し掛かるとこういった「絶対に負けられない戦い」が増えてきます。そこでドラマが生まれたりするのもまたBPLの魅力なのですが、心のどこかではどのチームも脱落しないでほしいと思ってしまいますね。

 

先鋒戦。前節も全く同じ指定ジャンル・指定レベルで戦った二人が早くも再戦です。TAKWAN選手は祭囃子のようなハネたリズムに加え、笛の音に合わせた細かいリズムが特徴の「かげぬい ~Ver.BENIBOTAN~」を選曲。こういった一癖ある楽曲はTAKWAN選手の得意分野だろうと思いましたが、まさにその通りでした。序盤のトリルを全ピカで抜け、リードを作ると以降も細かい音符を生かして点差を広げます。固定オプションでの安定感を見せつける結果となりました。

 

まるで職人技のような光り方で自選を通したTAKWAN選手。チームメイトと熱いグータッチ。

 

対するCYBERX選手は正確無比なガチ押しが持ち味の選手。bpmが144と中速で16分音符を叩く「アルストロメリア」を選曲。両者ともにとんでもない精度で光らせ、点差が全くつかないギリギリの勝負に。最後の最後に16分音符以上に細かいフレーズが4ノーツだけ待ち構えているが、ここまでCYBERX選手がわずか2点のリード。この一瞬に勝負がひっくり返る可能性もあったのですが、ここはしっかりと抑えきった。先鋒戦をイーブンとします。強心臓だ・・・。さすがは自称精密機械。

 

中堅戦。テーマはSCRATCH。ここまで自選をほぼ落とさず(というか、S2以降ストラテジー以外では自選を落としたことがない)両者の対決となりました。最強の鉾vs最強の盾といった感じの試合。始まる前から両者バチバチです。

 

SNT・GiGOの両チームが煽りあい。場外乱闘も今年の目玉。

 

観客席「カリバーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

照れ笑いのCORIVE。その拳の向く先はもちろんTATSU。

 

観客席「TATSU!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

受けて立つ!と言わんばかりに両腕を広げアピールするTATSU。

 

先攻TATSU選手は「Overload Frontier」を選曲。連続スクラッチ、というよりは鍵盤にしつこくスクラッチが絡んでくるタイプの譜面です。正規で仕上げてきているところも含めて実にTATSU選手らしい選曲。対するCORIVE選手はRANDOMでのプレー。しかし、スクラッチの間に鍵盤が入り込む形となり、あまり良い配置は引けなかった模様。終始TATSU選手の安定感が光る展開となりました。

後攻CORIVE選手は「Digitank System」を選曲。まさに十八番といったところでしょうか。後半のスクラッチパートが始まると一気に30点以上に差を広げていきます。手元に注目すると、上からの画角でもわかるぐらいに大きいストロークでスクラッチを叩いていることがわかりますね。なかなか真似できないプレーです。最終盤では両者ともに点数を落とすことが無くCORIVEリードのままフィニッシュ。中堅戦はお互いの持ち味を存分に発揮した結果、ドローとなりました。

 

大将戦。☆12PEAKと言えばこの男。46選手登場です。対するGiGOからはLOOT選手が出場。46選手は激重鍵盤曲「疾風迅雷(L)」、LOOT選手はスクラッチが特徴の「廿(L)」をそれぞれ選曲。

ですがここでSNT側からストラテジー。LOOT選手セレクトの「廿(L)」が「お菓子の王国」に変更されます。う~ん、これはかなり46選手に分がありそうな曲に変わってしまいましたね。

祈りむなしく崩れ落ちるLOOT選手。そりゃこうなりますよ。。。あんなにも細かい音符のPEAKをノーアップ状態で捌けるようになるにはとんでもなく鍛練が必要。そしてそこでアドバンテージを持つのが46選手。まさに鬼に金棒状態です。。。

 

ストラテジー!ガッツポーズおおしろ。

崩れ去るLOOT選手。



さて一曲目。「疾風迅雷(L)」。LOOT選手はオプション被りを忌避しての正規譜面を選択してきました。立ち上がりではLOOT選手に分がある模様。スクラッチの多用される序盤をうまく光らせて15点ほどのリードを作ります。しかし密度が上がれば今度は46選手の独壇場。しかもガチ割れ!(RANDOMオプションを選択した時に白鍵盤が全てスクラッチと反対側に寄ること。右手左手で交互にノーツを処理しやすい配置が降ってくるため大当たり。確率は1/35で出現する)

 

左が正規で右がガチ割れ。割れると譜面が左右に分離する形になって見やすいだけでなく、とても押しやすい。

 

中盤以降どんどんと激しさを増していくこの曲。こうなるともう46選手を止められません。16分以上に細かい24分音符のラッシュに突入すると点差は100点差を超え、さらにどんどんと広げていく。最難所では点差を200点以上とし勝利を決めました。一発で3400点超えのスーパープレー。元々二つ名だった「奈良の"PEAK"マスター」の名は伊達ではありませんね。

 

2曲目。「お菓子の王国」こちらも強烈なPEAKが何か所かあり、特に中盤の2小節に渡る32分音符のラッシュが実質勝敗を決めてしまうほど密度の濃い部分となっています。そして予想通りその難所で46選手が大きくリード。持ち前の地力を生かして後半に待ち構えているスクラッチ絡みの部分でも更に差を作ります。最終的には4080点と自己ベストと比べてもわずか22点しか低くなっておらずとんでもないプレーでした。

 

頼りになりすぎる男46

 

46!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ファンです。

なぜ4巡目なんだ????と思うほど1巡目並の貫禄と勝負強さを感じますね~。ドラフト会議直後の不安感を大きく払拭する結果になっています。火力不足?そんなわけないぜ。SNTには主砲であり城塞・46が居ますから。TATSU・NIKE・TAKWANの安定感も凄まじく、個人的にはクォーター以降の戦い方が最も気になるチームです。

 

GiGOは今回ばかりは運に見放された展開になってしまったなと思いました。お菓子の王国の一件に関してはもう、、、お祓いに行ってくださいまし。

ちょっと現実を直視するのが怖かったのですが、ポストシーズンに出場する可能性を考えてみると案外まだまだありそう、という感じです。ただし、次節・vs KKM*を乗り越えなければなりません。指定ジャンルがNOTESとかだとかなり辛いですが、SOF-LANやSCRATCHだと、、、ポイントを取ってくる可能性がかなりありますよね。

KKM*選手に対決して自選を取れる選手、となると真っ先にU*TAKA選手が思い浮かぶのはファンの共通認識だと思うのですが、個人的にはCORIVE選手を推していきたい。全チーム応援しているのでどちらかが落ちるかもしれない、と思うと複雑な気分ですが、とはいえこの2人の対決は見たい。我々も覚悟を持ってBPLを見届けていきましょう。

 

 

あとがき

 

BPLS3もいよいよ佳境。☆12対決はスーパープレーが魅力です。次節はいよいよチームの進退に直接かかわるような試合ばかりなので、なおのこと緊張感が高まりますね。好きなチームが落ちる、というのは辛いことです。悲しいことです。が、そこで生まれるドラマが泣けるのも事実。二律背反。アンビバレント

 

最終日まで残るのは2チームのみ。皆さんどのチームが優勝すると思っていますか?筆者はシルクに一票。次いでラウワンかなぁ。そんな談議が面白いのも今だけの特権ですのよ。みんなで語ろうBPL。